サイエンス
深海の「マリンスノー」が隠れた栄養源に——水圧がもたらす驚きの生態系 地球の深海は、これまで「栄養の砂漠」と考えられてきた。太陽光が届かず、表層からの有機物供給も限られる過酷な環境である。しかし2026年7月12日、南デンマーク大学(SDU)の研究チー…
2026年7月8日、科学雑誌『Nature』に掲載された1本の論文が、物理学界に大きな波紋を広げている。ニューヨーク市立大学(CUNY)先端科学研究センターの研究チームが、回転するブラックホールからエネルギーを抽出するという、半世紀以上にわたって理論上の存…
はじめに:SFから現実への一歩 人の血液細胞を採取し、遺伝子を初期化して精子に変え、マウスの腎臓に移植して育てる——一見するとSF映画のような話だが、2026年7月、ペンシルベニア大学の研究チームが実際にこの手法でヒトの未成熟精子を作り出すことに成功…
「脱プラスチック」や「環境負荷低減」という言葉を聞くたびに、自社の素材開発が追いついているか不安になる——そんな経験はありませんか?近年、バイオマス由来の樹脂やリサイクル樹脂の研究は加速する一方で、新たな発明を素早く特定し、特許化するスピー…
実験ノートに記録された膨大な反応データや失敗事例、そこに埋もれた「気になるけど追跡しきれなかった」観察——。創薬研究の現場では、こんな未活用のログが山のように蓄積されています。AI創薬の最新トレンドは、それらを単に整理するだけでなく、人間には…
導入 2026年6月、科学ニュースに衝撃が走りました。高エネルギー宇宙ニュートリノ「IC 210922A」の起源が、これまでの常識を覆す可能性があると報じられたのです。私たちが住む宇宙は、絶えず謎の高エネルギー粒子で満たされています。その中でも特に謎に包…
導入 「海が先に悲鳴を上げている」——この言葉は、気候変動の影響が陸上よりも海洋でより早く、より劇的に現れている現状を象徴しています。2025年から2026年にかけて、アジア周辺の海洋は異常な高温状態にあり、その影響はすでに各地で豪雨や干ばつとして現…
導入 「自己免疫疾患は一生付き合う病気」――そう考えている患者さんやそのご家族は少なくありません。実際、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、多発性硬化症など、自己免疫疾患は原因となる免疫細胞が自分の体を攻撃し続けるため、症状を抑える治療を長…
量子もつれの世界をより身近に:新しい理論手法の登場 みなさんは「量子もつれ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、二つ以上の粒子がまるで心を通わせるように振る舞う不思議な現象で、量子計算機や超高感度な計測技術の基盤となる重要な性質…
小さな望遠鏡で月の大地を透視する 月の表面は、私たちが目で見るだけではわからない豊かな化学情報を隠しています。岩石の種類や資源の有無を知るには、月面のどこにどの元素がどれだけ存在するかを調べる必要があります。しかし、すべての場所から試料を持…
人工知能が生んだ新しいタイプのワクチン 新型コロナウイルスのパンデミックから数年が経ち、私たちはウイルスとの共存に慣れつつあります。しかし、次にどんなウイルスが現れてもすぐに対応できる備えは、まだ十分とは言えません。そんな中、人工知能の力を…
はじめに 遺伝子を「読む」時代から「書き換える」時代へ——。2012年に誕生したCRISPR-Cas9は、わずか10年余りで生命科学の常識を塗り替えた。私たちは今、ヒトの病気を根本から治療し、気候変動に強い作物をデザインし、さらには大気中の二酸化炭素を生物の…
はじめに 2026年は、人類の宇宙探査史において特筆すべき一年となる。NASAのアルテミス計画はついに有人飛行フェーズへ、火星探査はサンプルリターンという前人未到のミッションが動き出し、民間セクターではSpaceXのStarshipが実運用段階に突入しようとして…
はじめに 「太陽のエネルギーを地上に」——核融合発電は、壮大な夢を掲げて半世紀以上にわたり研究が続けられてきた。しかしここ数年、状況が大きく変わりつつある。2022年12月、米国の国立点火施設(NIF)が核融合反応によるエネルギー増倍に史上初めて成功…